革について
「素上げ革」について
革は生き物の皮からできます、生きている間にはちょっとした傷を負うこともあれば虫に刺されることもあります。「素上げの革」はそういった傷や虫刺されなどのナチュラルスタンプを塗料で覆い隠し、何もなかったように見せるものではなく、表面に浸透する染料を使用し、呼吸する革本来の表情を活かし、ケアすることによって「長く使え経年も味になる革」のことです。
当ブランドではその「素上げ」と呼ばれる、表面にあまり手を加えていない非常に薄化粧の状態の
革本来の表情を生かす革 ”使ってゆくうちに味のでる革”を主に使用しています。
素上げ革での製品作りは大変手間がかかります。
一枚一枚まったく同じものが無く、傷や虫刺されなどのナチュラルスタンプの場所も違います。
裁断は革一枚一枚の表面を見ながら極力傷や虫刺されの箇所を避けながら行ってゆきます。
なるべく多くの無駄のでないよう裁断してゆきます。
無駄が出ますとそのままコストに加味されてしまい、お値段に反映されてしまいます。
そうならないよう最善の努力をしてゆくのですが、その時々の革の状態や大きさにより、価格に反映されないギリギリのところで傷などを避けてゆく事になります。
どうしても避けられない場面が出てまいります。その際は仕上げ技術により最善を尽くしておりますが、それでも少し地キズなどのナチュラルスタンプが残る場合があります。
昨今ではサステナビリティの観点から、トラや地傷は避けずに極力無駄の出ないように裁断を行っております。
その点、ご了承いただきたくお願いいたします。
エイ革のお手入れについて
ブラッシング
馬毛ブラシで優しくビーズの間のほこりや汚れを取ってください
表面が汚れてしまったら、固く絞ったきめの細かな布で拭き上げてください
クリームやオイルなどは、シミやくすみの原因になるため使用はお控えください
水に濡れてしまったら、形を整えて陰干ししてください
*大きく濡れますと、ウエットフォーミングが崩れてしまうことかありますので、形を整えてから乾かすことを忘れずにお願い致します
ウェットフォーミングについて
TEN’Iに採用しております「ウェットフォーミング」は、裁断した1枚の革を、水に浸し成形し、乾かすことでその成型を維持する製法です。
革は、水に浸しますと繊維が水を含み膨張し柔らかくなります。
浸水し柔らかくなった時点で成型を施し、そしてそれを乾燥させるものですが、
革は、いったん浸水いたしますと表面が柔らかくなりますので傷がつきやすくなります。
成型行程中には治具や圧力等を使いますので、不可抗力により多少の傷がつく場合がございます。
何卒ご理解いただけますようお願いいたします。
また、今回使用しております素材は、素上げ革ですのでもともとのナチュラルスタンプと呼ばれる地傷や虫くい跡があります。
不特定のあるためにすべてを避けることはできませんので、そういったナチュラルスタンプが製品に入ることがありますが、
何卒天然皮革所以のものとご理解いただきたくお願いいたします。
しかしながらそのデメリットを上回るエイジングを期待させてくれる上質な革を使用しています。
お手入れについて
お手入れの方法といたしまして、
・ブラッシング(馬毛ブラシを推奨いたします)
・保湿
・仕上げ
この3つをお心がけいただけましたらと思います。
ブラッシングほこりなどをとり、
レザートリートメントで保湿、
最後にクロスで拭き上げます
月に一度は実施していただけましたら革も喜ぶのではないかと思います。
コバが毛羽立ってきたら、
トコノールを毛羽立った部分を抑えるように塗布し、
半乾き状態のときにレザークラフト用のガラス板やウッドスリッカーで擦ってください。
*床面などはシミのように見えるため、1か所だけでなくその面全体に塗布するとよいです。
おすすめのレザートリートメント
・ラナパー
(固形で無色、伸びやすく塗りやすいので失敗しにくいです)
・コロニル1909シュプリームデラックス(クリア 無色)